木製家具を手入れしてメンテナンスする方法。
2020.12.24 家具のお手入れ木製家具は私たちの生活に「ぬくもり」や「安らぎ」を与えてくれる家具です。そんな家具と、できるだけ長く上手に付き合って行けたらなと考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回は旭川家具メーカーであるWOWが木製家具の正しいお手入れの方法を塗装の方法別に紹介します。
木製家具は本来、水や直射日光などに弱い素材ですが様々な塗装方法によってその弱点を補っています。
この記事を通して正しいお手入れの方法を知り、お気に入りの木製家具をできるだけ長く使っていきましょう。
木製家具を長く使い続けるには「お手入れ」が必要
木製家具は水分や直射日光の当たる所、冷暖房器のそばなど温度差の激しい場所や、湿気の多い場所が苦手です。
これらが原因となり、色があせてしまったり塗装面が剥がれてしまう可能性があります。設置場所は上記のような環境の場所は避け、家具を使用した際にはこまめに乾拭きをしてホコリやゴミが蓄積しない様メンテナンスをしましょう。
また、木製家具は本来デリケートな素材ですが、様々な塗装方法によってその弱点を補っています。
塗装方法の違いによってもお手入れの仕方や注意点が変わってきます。以下では、塗装方法別にお手入れの仕方や注意点を紹介していきます。
オイル塗装のお手入れ方法
木の表面に塗膜を作らない構造で塗装するオイル塗装(オイルフィニッシュ)は、木の素材感を味わうことができ、木が呼吸出来る状態を保ちます。
木が呼吸することで湿度が高い状態では水分を吸収し、乾燥している状況では水分を放出して湿度を一定に保とうとする働きをします。
ですが、この機能によって木が膨らんだり縮む動きをするため、反りやひび割れを生じさせる原因にもなってしまうというデメリットもあります。
オイル塗装のお手入れ方法について紹介していきます。
オイル塗装のお手入れに必要な道具
日常(日〜週)のメンテナンス
- 乾拭き用の柔らかい布
定期的(1ヶ月〜半年)なメンテナンス
- 乾拭き用の柔らかい布
- 木材専用のオイル
- クロス
- ハケ
- サンドペーパー
オイル塗装のお手入れ手順
日常(日〜週)のメンテナンス
- 乾拭き用の柔らかい布で、ホコリや汚れを拭き取る
日常のメンテナンスは、この程度で十分です。
定期的(1ヶ月〜半年)なメンテナンス
- 乾拭き用の柔らかい布で、表面のホコリや汚れを拭き取る
傷が気になる方はサンドペーパーで削り、目立たなくしてからオイルを塗りましょう。
目の粗いものを先に、細かいものを後に使用すると綺麗に仕上がります。 - 木材専用のオイルを家具に塗布し、クロス又はハケでオイルを馴染ませる
- 10~15分後新しいクロスでオイルを拭き取る
- オイルを乾かす(約1日)
オイル塗装をお手入れする際の注意点
オイル塗装の家具は前述した様に木材が呼吸をするため、濡れていたり水分が多い物を置いたままにするとシミやひび割れの原因となってしまうので注意しましょう。
また、オイルを塗布した後乾くのに時間がかかってしまうので、しっかりと乾いたことを確認してから使用することをおすすめします。
ウレタン塗装のお手入れ方法
ウレタン塗装は家具以外にもフローリング材などに使用される塗装で、コーティングに厚みと艶があるのが特徴です。現代では、テーブルや椅子、ベット、棚、たんす、フローリングなどの様々なものに使用されている塗料です。
木の表面を樹脂で覆うことで、水分や傷に強く、木材の経年劣化が起きにくいという点が最大のメリットです。飲食物をこぼしてしまった際にも、簡単に拭き取れるので小さなお子様がいらっしゃる方にもおすすめです。
ウレタン塗装のお手入れ方法について見ていきましょう。
ウレタン塗装のお手入れに必要な道具
日常(日〜週)のメンテナンス
- 水拭き用の雑巾(お湯又は水で濡らしたもの)
- 乾拭き用の雑巾
定期的(1ヶ月〜半年)なメンテナンス
- 水拭き用の雑巾(お湯又は水で濡らしたもの)
- 乾拭き用の雑巾
- 水で薄めた中性洗剤
ウレタン塗装のお手入れ手順
日常(日〜週)のお手入れ
- お湯又は水で濡らした雑巾でホコリや汚れを拭き取る
- 乾拭き用の雑巾で水分を残さないよう拭き取る
定期的(1ヶ月〜半年)なお手入れ
- 水で薄めた中性洗剤と水拭き用の雑巾を使用し、頑固な汚れを擦る
- 仕上げに乾拭き用の雑巾で水分を拭き取る
ウレタン塗装をお手入れする際の注意点
化学ぞうきん(ダスター)や揮発性の溶剤等は、変色やキズを生じさせる原因となるので使用しないようにしましょう。
UV塗装のお手入れ方法
UV塗料とは木の表面に塗料を塗布し、紫外線を照射することで塗膜を硬化させる方法を用いた塗装のことです。艶は出にくいですが、自然な風合いにすることができます。エレベーターやマンションのドア、テーブルの天板などによく使用されています。
UV塗装の最大のメリットとも言えるのが、特別なお手入れが要らないということです。
また、オイル塗装やウレタン塗装と比較すると短時間で乾燥させることができ、硬度や耐熱性が高い為、ウレタン塗装よりもさらに耐久性があります。
そんな万能なUV塗装ですが、他の塗料よりコストがかかってしまうので、目的に合わせた使い方をおすすめします。
特徴を踏まえ、UV塗料の家具のお手入れ方法を紹介していきます。
UV塗装のお手入れに必要な道具
日常(日〜週)のお手入れ
- 水拭き用の雑巾(お湯又は水で濡らしたもの)
- 乾拭き用の雑巾
定期的(1ヶ月〜半年)なメンテナンス
- 特に無し
UV塗装のお手入れ手順
日常(日〜週)のお手入れ
- ホコリや汚れが付着している場合は、水拭き用の雑巾で汚れを拭き取る
- 乾拭き用の雑巾で、水分を拭き取り仕上げる
定期的(1ヶ月〜半年)なメンテナンス
特に無し
UV塗装をお手入れする際の注意点
UV塗装の家具をお手入れする際に特に注意することはありませんが、深い傷が入ってしまったり塗装がハゲてしまった場合には、専門の塗装メーカーに依頼して研磨してもらうことをおすすめします。
ラッカー塗装のお手入れ方法
樹脂をシンナーなどの揮発性の高い溶剤で溶かし、それを塗布することで家具の表面に塗膜を形成する塗装です。ラッカー塗装は、ギターやピアノ、プラモデルなど様々なものを塗装する際にも使用されています。
木の質感を感じやすくスベスベとした触り心地ですが、ウレタン素材には劣りますが、オイル塗装のものよりは汚れや傷が付きにくいです。
また、ラッカー塗装の家具は熱に弱いため、コップの輪染みには注意が必要です。オイル仕上げの家具と同様にコースターやランチマットを敷いて使用するのがおすすめです。
ラッカー塗料が使用された家具のお手入れ方法について見ていきましょう。
ラッカー塗装のお手入れに必要な道具
日常(日〜週)のお手入れ
- 乾拭き用の柔らかい布
定期的なお手入れ
- 水拭き用の雑巾
- 乾拭き用の柔らかい布
- 水で薄めた中性洗剤
ラッカー塗装のお手入れ手順
日常(日〜週)のお手入れ
- 乾拭き用の柔らかい布でホコリや手垢を拭き取る
定期的(1ヶ月〜半年)なお手入れ
- 頑固な汚れを水で薄めた中性洗剤と水拭き用の雑巾で拭き取る
- 乾拭き用の柔らかい布で水分を拭き取り、仕上げる
ラッカー塗装をお手入れする際の注意点
前述した様に、ラッカー塗装は熱に弱いのでお湯を使用することは避けましょう。
また、ウレタン塗装と同様に塗装し直すには専門技術が必要になってくるので、塗装をし直すには専門の業者に依頼しましょう。
無塗装家具の手入れ方法
無塗装家具とは、名前の通り何も塗装をしていない家具のことです。
無塗装家具は、傷や水分に弱い性質を持っていますが、逆に使い込むほどにその傷や風合いを楽しむことができる家具です。
無塗装家具の手入れに必要な道具
日常(日〜週)のメンテナンス
- 乾拭き用の雑巾
定期的(1ヶ月〜半年)なメンテナンス
- 乾拭き用の雑巾
- サンドペーパー
無塗装家具の手入れ手順
日常(日〜週)のメンテナンス
- ホコリや汚れを乾拭き用の雑巾で、こまめに拭き取る
- (湿気が多い季節にはカビ予防のため、風通しの良いところで陰干する)
定期的(1ヶ月〜半年)なメンテナンス
- ホコリや汚れを乾拭き用の雑巾で、こまめに拭き取る
- サンドペーパーで傷を削る
傷が気になる方はサンドペーパーで削りましょう。
目の粗いものを先に、細かいものを後に使用すると綺麗に仕上がります。 - 仕上げに乾拭き用の雑巾で拭き取る
無塗装家具を手入れする際の注意点
無塗装家具も、水分に弱いので日常のメンテナンスは乾拭きをおすすめします。濡れてしまった場合には、すぐに拭き取りカビやシミを防いでいきましょう。
また、サンドペーパーで整える際には木目に逆らわない様にして使用しましょう。
万が一木製家具が汚れた場合の対処方法は「身近な道具で簡単!木製テーブルの汚れを落とし方を汚れ種類別に徹底解説【家具メーカーが解説】」で詳しく解説しています。
それは汚れじゃない!木製家具の「経年変化」とは?
最後に、木製家具ならではの風合いを楽しむことができる「経年変化」について紹介します。
「経年劣化」ともよく意味を混同してしまう「経年変化」
「経年変化」と「経年劣化」の違いは、時間の経過と共に品質を低下させてしまうかどうかに違いがあります。「経年変化」は時間の経過と共に品質が低下する訳ではなく、時間の経過と共に変化していく風合いを楽しむ意味を内包している言葉です。
特に、「無垢材」と呼ばれる高級木材を使った家具は、経年変化込みで楽しむ嗜好品として世界中の人に愛されています。
ですので、世界に一つだけの家具を育てているという視点で、日々のお手入れに取り組めば、今後さらに愛着が湧いていくのではないでしょうか。
まとめ
木材家具のお手入れ方法を塗装別に紹介しました。
同じ木材といっても、塗装の種類によって定期的にしっかりとお手入れするべきものと、お手入れをしなくても長く使い続けることができるものが様々にあります。
愛用している家具を上手にお手入れすることで、できるだけ長く大切に使っていきましょう。
WOWはシンプルなデザイン家具を主流に、デザイナーによるチェアやソファそして、アイデアが盛り込まれた多彩な家具を創り出す、旭川家具のメーカーです。
日夜、お客様に愛着をもって使っていただけるような家具作りを目指しています。スツールやシェルフなどの様々な木製家具を「公式オンラインショップ」でも取り扱っています。ぜひ1度ご覧下さいませ。