タモ材とは?|特徴・魅力・ナラ材との違いについて。
2023.08.18 木材の種類旭川家具メーカーのWOWは、北海道産のタモ材「EZOASH」(エゾアッシュ)を使用した製品をつくっています。
では、タモ材とはそもそもどんな木材なのでしょうか。今回はそんなタモを、他の木材と比較しながら、その魅力や特徴についてご紹介します。
記事の終盤では、北海道産のタモ材「EZOASH」(エゾアッシュ)を使った家具を実際にいくつか紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
タモ材とは
タモとは、モクセイ科トネリコ属に分類される落葉広葉樹の総称で、ヤチダモとも呼ばれます。タモから切り出した木材がタモ材です。
ヤチダモ(谷地タモ)と呼ばれるように、主な生息地は水はけの良い湿潤地です。日本では主に北海道に多く分布。国外では、極東沿岸に多く生息し、ロシアのシベリア地方や朝鮮半島、中国が主要な産地として挙げられます。
家具の材料に使用されることが多く、そのほかにもフローリングなどの建材として使用されます。また、野球のバットやスキー板など、スポーツ用品にも使用されるなど、様々な場面で活躍する木材なのです。
WOWは北海道産のタモ材を「EZOASH」(エゾアッシュ)として商標登録しました。辺心材の境界は明瞭で、辺材は淡い黄白色、心材はくすんだ褐色。年輪は明瞭。時に美しい杢(もく)を有します。
タモ材の特徴
木材としてのタモ材の特徴をいくつかのポイントから紹介します。
木目
タモは地面から真っ直ぐ上に成長する樹木で、木目のつき方も直線的ではっきりとしているのが特徴です。
幹が太く成長するため、比較的サイズの大きな無垢材が採れます。サイズのあるタモ材はフローリングやテーブルの材料に使用することができ、明瞭な木目をインテリアに活かすことが可能です。
タモ材のシンプルで美しい木目は、和洋問わず、どんなインテリアテイストにも使うことができます。
色
タモ材の色は、全体的に淡く明るい黄白色が特徴です。
タモの多くは幹が太く成長するため、切り出す箇所によっては中心から外側へきれいにグラデーションが出ます。中心は濃い褐色で、外側へ向かうほど淡い色に変化していきます。
大きく切り出してダイニングテーブルなどに使用すれば、やさしい褐色の淡いグラデーションの味わいを楽しむことができます。
耐久性
タモ材は高い耐久性を持ちます。その耐久性を裏付けているのは、衝撃を吸収する弾力性です。強い力を加えても折れずに「たわむ」ことが「タモ」という名前の由来になったという逸話もあります。
この弾力性はフローリング材をはじめ、野球のバットに有効に活用されています。一方で硬さがあるため、加工には一定の技術が必要です。
手触り
サラっとした手触りもタモ材の魅力です。身体に触れることの多い家具(椅子やスツール)にぴったり。
タモ材の経年変化
無垢材は長く使い続けると、紫外線の影響で経年変化します。木の変色を味わうことができるのも無垢材の魅力と言えるでしょう。タモ材は、経年変化により褐色が濃くなり、黄色味が増していきます。
タモ材とナラ材の違い
ナラはブナ科コナラ属という樹木であり、タモとは分類が異なります。
タモ材の方が明るく、ナラ材の方が落ち着いた色合いである違いがありますが、素材によって見え方も変わりますし、経年変化の段階によっては、さらに見分けるのが難しいと感じる方もいらっしゃいます。
ナラとタモの木目が同じように見える理由として、どちらも環孔材であることが挙げられます。環孔材とは、道管が年輪に沿って環状に並ぶ木材のことをいいます。
タモ材とナラ材は比較されることの多い木材でもあります。実際にタモ材とナラ材ではどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
虎斑(とらふ)の有無
まず、虎斑(とらふ)という模様の有無による違いがあります。虎斑とは「虎のような縞模様が入った木目」と言う意味。年輪の中心から放射状に入り、木目に独特な雰囲気を持たせます。ナラ材やオーク材などブナ科の木材にみられる模様であり、タモ材にはない特徴です。
価格
タモ材とナラ材では、価格の違いもあります。一般的にはナラ材が高いといわれることもありますが、木材というのは生産状況により変動するものですから、一概にどちらが高くて安い、とは断言できないところです。
北海道産のタモ材を使った家具の例
以下に、北海道産のタモ材「EZOASH」(エゾアッシュ)を使った家具をご紹介します。
half chair op.2
half chair op.2グッドデザイン賞やIFDAゴールドリーフ賞を受賞した「half chair op.1」の二作目。座面が通常の椅子の1/2で設計されているため、背もたれがついているのに奥行35.2㎝のスリムコンパクトな仕上がりに。椅子の後ろのスペースを気にする方にもぴったりです。ダイニングチェアとしても活躍してくれます。
スッと背筋が伸びる機能美。疲れにくい姿勢に不可欠な「骨盤を立てる」動作を自然に行えるようになります。
引き出し付きのhalf chair op.2Op.1、Op.2共に引き出し付きのタイプをお選びいただけます。読書がお好きな方は老眼鏡、ギターを弾く方はピックや弦を入れておくと便利ですね。もともとhalf chairはチェロなどの楽器奏者が座る椅子からモチーフを得ており、「座る人の背筋を真っ直ぐに保ちながら支える」というのがコンセプトとなっています。
KAKUスツール
KAKUスツールふるさと納税の返礼品としても大人気のKAKUスツール。部材はすべて無垢材を使用しています。無垢材ならではの、やわらかで滑らかな肌ざわりをお楽しみください。ビスやネジを1本も使わずにつくられており、卓越した木工技術を見て触れて体感できます。
KAKUスツールは木製なのに、重量はたったの約2.7kg。2リットルのペットボトル1.5本分程度の軽さです。女性や子どもでも、片手で持ち上げて移動することができます。座面の中央の穴に指を入れると、さらに持ち運びやすくなります。
軽いのに、耐荷重は130kg。体格のいい男性でも安心ですし、もちろん、踏み台としてもお使いいただけます。
キッチン、リビング、書斎、玄関、寝室。あらゆるところに新たな快適をもたらすKAKUスツールは、WOWのロングセラーの一つです。
MARUスツール
MARUスツールわずか奥行27㎝のコンパクトなスツール。普遍的なスツールのシルエットは、どんなインテリアにも自然に溶け込みます。
座面の溝は、デザイン性を高めつつ、「座ってもズレない」ように配慮された、非常に実用的な設計です。
MARUスツールはスタッキング(積み重ね)が可能です。重ねたときにスツール同士が傷つけあわないように、座面の裏にパッキンをつけています。
MARUスツールlog
log家の中に「気分転換できる場所」があったら、とても素敵だと思いませんか。座るとヒザと地面が平行になる「log」は、読書やノートPC作業ができるユニークなスツールです。デザインは東京のデザイナー佐藤界氏(FULLSWING)。
足置き(フットレスト)の位置にこだわって設計されており、「ちょうどいい座り心地」を実現しました。
座面の裏の絶妙な曲線。持ち運びがしやすいように配慮されています。
座面の高さは59.5㎝。ミドルスツールよりも高く、ハイスツールよりも低い。そこには新しい景色があります。
数ある家具のなかでも、スツールは「思いのままに移動できる家具」のひとつ。logと一緒に、家の中のいろんなところに腰掛けてみてください。暮らしの動線が少し変わるだけで、インテリアの可能性が大きく変わるかもしれません。
logBOOK RACK
BOOK RACKこちらもFULLSWINGのデザイナー・佐藤氏が手がけたもの。軽くてオープンな本棚「BOOK RACK」は、背板が短く光が入りやすいため、下段に本を置いてもハッキリ見えます。
「ブランコのような浮遊感」を感じるユニークなシルエットです。傾斜をつけているのがポイント。マガジンラックのように表紙を面にしても本が安定するため、“魅せる収納”としても活躍してくれそうです。
BOOK RACK「並べて使いたい」というユーザーの声も多いBOOK RACK。図書館やクリニックだけでなく、「本を飾る楽しみ」のある生活空間を求める方にもぴったりです。デザインブックやコーヒーブックを並べてみたいものです。
「使いたい」をつくりたい。限りある木を、価値ある木に。
WOWは、限りある木材を使い、家具による快適な暮らしの実現を目指しています。良質な天然木に恵まれる北海道旭川の土地で、1972年に創業。北海道の木を多くの人の暮らしに結びつける家具づくりを続けてまいりました。
社名「WOW」には、「感嘆の言葉=Wow」と、「価値ある木=Worthy Wood」という2つの意味を込めています。
良質で存在感のある木にいのちを吹き込み、暮らしを快適にする機能美を持つ家具。私たち日本人の生活空間に自然に溶け込み、部屋の居心地をより良くしてくれます。
WOWは幅・奥行き・脚の長さ・引き出しの数を変更するイージーカスタムや、お客様のご要望を形にして提案するカスタムオーダーを得意としています。全国からの問い合わせ・配送も承っておりますのでお気軽にご相談ください。
対象の製品であれば、お好みの高さに椅子やテーブルの脚をカットすることができます。「あともうちょっと低ければ……」という、その“あともうちょっと”にしっかりお応えします。